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「オレは、結局帰れない!!」
泣きそうな声で泣くまいとしつつ千字は言う。
「なら」
その悲壮な声の主の言わんとすることはわかる。だが吾呂は止められなかった。
そう、どちらかが死なねばどちらの命もない。
そして、吾呂には帰るべき場所に帰る術がある。
「オレが、この扉を閉じる。」
最後は震えていなかった。
「決心してしまったのね。」
吾呂は静かにわかりっきっている事を聞いた。
千字はただ一度だけ頷いた。
「そう。」
何も言わないと吾呂は決めた。
ただ流れる涙を拭えなかった。
千字は乾いた目で
死を覚悟した。