忍者ブログ
ファンタジー中心の多趣味小説サイトです。ゆったりと更新中です。
| Admin | Write | Comment |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

森の中は昼間でも薄暗い。

そこを一人の男が歩く。

年はまだ少年といっても良いくらいで、フード付のパーカーを羽織った姿に違和感がなかった。

顔つきは中性的…むしろ女性のようだった。

青色の髪は無造作に後ろでまとめられ、後ろをついてくる毛先は水色に見える。

背には高価そうな剣を背負っており、値段的にも大きさ的にも不釣合いに見えた。

少年は上を見上げ、そしてすぐに視線をおろした。

彼の名前はソラリスファ・エイプリル。

本名はもっと長いがここでは割愛する。

そして、彼は自分のことを『ソラリスファ』と紹介することはめったになく、『ソラス』で通している。

彼は前…道のないただの森を見てため息をつく。

完全に、

完膚なきまでに、

迷子だった。

ソラスはとぼとぼと歩き出す。

 

太陽が完全に真上に昇ったとき、ソラスは異変を感じた。

急に辺りが暗くなったのだ。

上を向いて確認するが日が翳ったわけではないようだ。

そのとき突然、後方から彼を襲った。

そして彼はその光の方へ走り出す。

彼の足は速く、すぐに光の爆発の中心を確認できた。

そこには

ソラスと同じくらいの少女がいた。

新緑の髪の上方だけを分け二つに結んである。オレンジ色のワンピース、ゆとりのある袖。簡素なマント。

武器の類は持っていない。

双方無言で立っている。

異常な力が消え行く中、先に口を開いたのは、

「この森で人に合うのは久しぶりだな。」

少女だった。

「俺も人に合うのは久しぶりな気がするぜ。」

光の爆発は、なくなった。

少女は一歩足を進める。

「だろうな。ここは『魔の森』。人が入ってくる場所ではない。」

「んな、そんな危ない場所に入ってきてたのかよ!」

ソラスは左肩を逆の手でかむ。言葉ほどは焦っていないようだった。

「不思議な奴だ。」

少女はほんの少し微笑みしっかりとソラスを見る。

「今まであの光に自ら寄ってくる者など皆無だった。余程自分に自信があるのだろう。」

そして少女は腕を組む。

「気に入った。この森を出る方法を教えてやろう。ただ私もいっしょに行く。」

「勝手に話しを進めるなよ!」

「もう決めた。」

コイツ、もう何言っても無駄だな…。そんな思いがソラスの頭をよぎった。

ふと何かを思い出してソラスは空を見上げる。

「そういや、さっきの光は…?」

「私の術だ。」

「普通魔法とは質が違ったぞ?」

少女は視線をずらし宙を見る。

「特殊魔法の類だからな。光使いは珍しいとのことだ。」

「光…使い…?」

ソラスは記憶の糸を手繰る。どこかで聞いたことがあった。

「千年に一人も生まれないって話じゃないか。」

「らしいな。」

「んな、他人事みたいに。」

「あまり気にしておらんのでな。して、先ほどの話は?」

「森の外に・・・、てやつだろ。飲むさ。」

ソラスは右手を方から外し前に差出す。

「ソラス・エイプリルだ。」

「私はパール・レフージュ。」

パールは組んでいた腕を解きソラスを握手する。

PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[134] [129] [128] [127] [126] [125] [124] [121] [115] [100] [97]

Copyright c もふかふ。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By 御伽草子 / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]