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「もうすぐ外に出られるぞ。」
あれから二日もたった。
「やっとか…。」
ソラスはかなり疲れた声で言う。
次の一歩を踏み出そうとするが、とまる。
「どうした?」
「何か…いる。」
背負う剣を下しグリップを握る。それを見てパールも構える。
注意力がかなり高い事はこの二日間でわかっていた。
「出て来い!」
「…気づかれましたか。」
木の陰から女性が出てくる。
歳はソラスと変わらないくらい。着物のような服を大きく着崩している。白い肩に赤色の髪がかかる。前で結ばれた大きな帯が少女が歩くたびに揺れる。
「神殿の決定を待つまでもありませんわね。その少女を渡していただきましょうか。」
キ、とソラスを睨み付けながら言う。
「お前、付いて行く気あるか?」
ソラスは後ろを振り返りパールに問う。
「ないな。」
はっきりとした答えが返る。
「んじゃあ…行くか。」
「ああ。」
ソラスは剣を肩にかけ、赤い髪の少女の隣を抜ける。パールもそれに続く。
「達者でな~。」
一声だけかけ何もなかったように進むが、
「待ちなさい!!」
それですむわけもなく、少女が後ろから声をかける。
「このアンジュラル・バーミリオンに背中を向けるとは、いい度胸ですわ!」
手に持った何かを奮う。その動き通りに炎が現れる。
赤色の色鉛筆でソラス達を指す。炎の渦が二人を襲う。
「…色使いか!」
ソラスは剣を抜きその炎を受ける。抜き放たれたクレイモアの刃が炎をまとい紅く煌く。
「返品させてもらうぜ!」
ソラスが剣を奮うと先ほどの炎が少女に向かって放たれる。
「な!!」
アンジュラルはそれを紙一重で避ける。
「魔法剣士を見るのは始めてか?」
ソラスは剣を構える。
「色魔法と言っても原理は普通魔法…一般的に使われる魔法とそう変わりねぇ。魔法剣の使い手なら受ける事は造作もないてことさ。」
「くそ!覚えてなさい!」
それだけ言ってアンジュラルは森の中へと入っていった。
ソラスは剣を収める。
「色使いで神殿て言えば、六賢者ミノルの神殿だぞ?なんで狙われてんだよ?」
「知らん。」
当の本人の返事は短かった。