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ソラスはがばりと身を起こした。
まだ夜が開ける前だった。
「なんだ・・・今の。」
昨日の夜のような威圧感はなかったがなにか寒気を感じた。
幻のような、不安定な。
魔法剣士であり、魔法に長けた彼の感は告げていた。
危ない、と。
空間が歪む気持ちの悪い感触を感じ、左肩を掴む手に力が入る。
湖、草原、幻、空間…。
「…ヤバい。」
なにかが。
コンコン、とドアをたたく音がして、警戒しながらソラスは戸を開けた。
外に立っていたのはパールとアンジュラルだった。
結局、アンジュラルもソラスに同行する事になっていた。自分の目でパールを見たい、とのことらしい。
「ソラス、なにかが変だ。」
「わかっている。早く街を出るぞ。」
「どういう事ですの?」
「詳しくはわからん、だが…。」
パールはソラスの方を見る。彼は頷く。
「ここに居座るのは危険だ。」
三人は森と逆方向に歩く。
ソラスの足はかなり速く、他の二人は走っているようだった。
「まって!休ませて…。」
体力のないアンジュラルの一言で少しだけ休んだが、その後も急いだ。
そして草原を抜ける。
「違和感が…なくなった。」
パールの言葉にソラスは頷く。アンジュラルはその場に座り込む。
「休んだら、次の街を目指そう。」
そう言ってソラスは振り向く。
「あ……。」
先ほどまでの草原は見当たらず。
そこは
湖だった。
「どうしましたの?」
パールとアンジュラルも振り向き、言葉をなくす。
「…街は?」
「…わからん。」
「他の場所に移ってる、と信じてぇな。もしくは蜃気楼だったとか。」
「湖の底、だとは思いたくないな。」