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少年が走っていた。
その姿は「必死」さが見て取れた。
その12歳の少年は「名前を奪われたもの」だった。
「今日も良い朝ね」
晴れの光が少女を照らす。
彼女もまた「名を奪われたもの」だ。
いつものように森の中へと足を踏み入れる。
朝の光に包まれた森は美しく輝いていた。
そしてそして数歩歩いたとき人が倒れているのを見て、
見ぬふり出来ぬほど家から近いことを理解した。
その辺の木の棒をつかみ、突っついてみる。
「・・う」
・・・反応がある。
「・・面倒ことをこれ以上背負い込むつもりは無いんだけどなあ。」
そうつぶやきながら、少女は人を呼びに家に戻っていった。
少年の意識が戻ったのは昼過ぎだった。