私は
「私たちは帰るんだ!あの時代に!!」
初宮の声が響いた。
叫ぶように
噛み付くように
言葉を発した。
ぐっと
歪む空間に
言葉を、呪文を、祝詞を
発するために
息を吸い込む。
『我、ここに誓わん、空間を歪め、すべてを創りし者に反発することを』
―空間が歪むのが感じられた、自分が歪むのが
『いつまでも呪われる事を知り』
―呪われるのなんかもう怖くない―
『我はこの扉を』
―再び―
『開き』
―返すために―
『あってはならぬ世界を作り出そう』
―もう震えない―
『我は、扉を』
―高工・・・―
『開く』
初宮はその扉に手をかけた。
ここからだ。
もう一度挑戦する。
三度目の正直はない。
「今しかないんだ!!」
暗い
闇がもれた。
頭に直接響く声、いや音。
『ソナタハナゼワガネムリヲサマタゲル』
「私の望みをかなえるため」
『ソナタハナゼノゾム』
「私が笑って生きられるよう」
『ダレノタメニ』
「私のために!」
―綺麗ごとはもう言わない―
「私が帰りたい!もう他人の血は見たくない!!見せたくない!!!」
『ノロワレヨ』
「本望だ!!!!」
『ザレゴトヲ!』
「もう決めた!!」
『ナラバ・・・ならば世界を、作り変えよ!引き換えだ!!』
「了」
・・・・
・・・・・・・・・・
アレから
長かった。
永かった。
こっちの世界で次に目覚めたとき
見覚えのある
懐かしい学校で
次が始まっていることを知った。PR