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「 」
一言だけ言った。
その子の横顔をしっかりと見ながら。
もうここにはいられないんだ。
だけど君だけには言葉を伝えてから去りたいんだ。
この世界で僕の知った一番温かい言葉。
一握りの
一滴の

もう一度言おう。
「 」
その感謝を。

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その暖かさはもう無いもの
世界は私を楽にさせる気など無いのだろう。
安らかなる死は与えられない。
大切なものがかけていく中で
一人立ち続けなければならない。
罪のしずくが瞳からあふれ
頬をつたう。
その罪を拭ってくれるものは
もういない。

?

何かがやさしすぎた。
心地よい空間が私を包んだ。

堕落だと誰が咎めよう。
その場所は私が手に入れた、最初で最後の安らぎだ。
それによりおきたこれが、私を落としたというならば
ヒトという生物は
生まれたときにすでに落ちる権限を与えられている。
私は落ちれなかっただけ。
それは落ちれたほうが幸せなのだ。
作ったものの勝手によって落ちれなかった私は
いま
落ちてはならない時期に落ちるのだろうか。
這い上がらなくては。
落ちる暇など与えられてない。
戦わなければ。
破壊はすぐそこ。

?
あなたは、私をご存知ですか?
ご存じないとはわかっています。
でもきいてみたかったのです。

あなたは、私を見たことがありますか?
あるということはわかっています。
でもきいてみたかったのです。

あなたは私を見てため息をつきましたね。
私以外の誰かを待って私を見ますね。

私のほうがあなたのそばにいる時間が長いのに、
私を愛してくれませんね。

そうですね。
モノを愛してはいけないですね。

でも
私はあなたの
一番近くにいます。
その鼓動が止まるまで。
?
やっと
やっと会えましたね。
やっぱり
やっぱり運命ですよ。

本当はそう思いたかっただけ。
思わないとやっていけないと思っただけ。
私は悲しい子。
でも
でも私は素直な子。
ほんとにほしいものを手に入れたくて、
私は愚かになりました。
誰に謝っても
許してはもらえないとわかっています。
愚かな子
受け止めて。
?

次へ、次へと進み続ける。
休む暇などない。
誰かに追い越されるのは
怖いことだから。

家に帰ったら
あの人がいた。
あの人だけが自分が休むことを許してくれる。
あの人は自分を待っててくれる。
あの人は自分を待たないわけにはいかない。
あの人が私にすがる。
わかっている。
これは私が作り出した檻。
閉じ込めた極彩色の羽は
痛々しく
風を通す。

?

笑ってみせた。
だがそれはほんの一握りの強がりだった。
誰かに気付いて欲しかった。
だけど自分が弱いことを誰かが気付くのは怖かった。

そんな自分はとても弱かった。
気付いたのは今更。

?
誰もいなかった。
何もなかった。

白いシーツをつかむ手に力が入る。
タスケテ、と
声に出せるほど強くなくて。
泣き声をあげれるほど強くなくて。
他者の前でなけるほど強くなくて。

強くなりたいよ。

つぶやけるぐらいに、
強くなりたいよ。
?

守ってあげたいんだ。
一人でしか泣けないその子を。

守ってあげたいんだ。
いつも強気で振舞うその子を。

守って・・下さい。
誰も見ない
仮面を
見えない仮面を
つけた私を。

?

何か恐ろしいモノが追いかけてくる…

そうこれは夢なんだ。
わかっている。
追いかけてくるアイツは、

オレだ。
本当に怖い。

逃げ切れない…
ぐっと肩に力がかかる。

そしてくらい朝がきた。

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