忍者ブログ
ファンタジー中心の多趣味小説サイトです。ゆったりと更新中です。
| Admin | Write | Comment |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



あの日を忘れない・・。
絶対に。

リトマスはいつもわたしを気遣ってくれていた。
わたしは彼の恋人だった。
いつまでも追いかけられ、戦闘によって傷ついたわたしを
わたしの心を癒してくれるのは彼だった。
人見知りが激しく、表情が表に出ないわたしをかばってくれたのも彼だった。
彼の前では本当の自分でいれた。

あの日々を忘れはしない。
そして、力不足を思い知った、大切なものがこの手からすり抜けていった、あの日を。
あの日を、あのときを忘れられるものか・・。

手を伸ばせば届いたかもしれない。
わたしは手を伸ばすことができなかった。
ただ、瞳はその光景をしっかりとうつした。
脳はそれがどういう事なのかしっかりと理解した。
動かない身体。受け入れられない心。
心地よい彼の力がわたしを包み、浮遊した。
彼はもう返事を返してくれる状況ではなかった。
わかっていてわたしは叫んだ。
リトマス、と。
本名は知らない。
通り名は知っていたがそれよりは魂の名前に近いだろう。
それに
わたしにはその名前で呼ぶ彼が一番近かった。
だから。
だけど。
「リトマス!!」
次の瞬間には
彼を確認する事が出来なくなっていた。
冷たく硬い地面の感触に身体をぶつけていた。
あの暖かい、心地よい彼の力を感じる事は
2度と無い。

指示薬はつかまり保管される。
だが、指示薬戦士は、人間は、
そう、彼は。
もう2度と
彼と笑う事は、
わたしが笑う事は
2度と無い。
1
PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[69] [68] [67] [66] [65] [64] [53] [72] [52] [51] [73]

Copyright c もふかふ。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By 御伽草子 / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]